Podcast「RePro RADIO」は、ふだんはトレーニングや体のしくみを、なるべく科学の視点からお話ししている番組です。今回の第14回は、その通常回から少し離れた番外編。代表の古賀とゲストが、学生時代を振り返りながら気楽に話した回になりました。
とはいえ、思い出話だけでは終わりません。会話の合間には、心理学を学んできた古賀から、人が誰かに好意を持つときのしくみについての話がいくつか出てきます。この記事では個々のエピソードには触れず、番組内で名前の挙がった考え方だけを取り出してご紹介します。
いつもと少し趣の違う「番外編」です
番組の中でも「たまにはこういう変化球も」と話されているとおり、第14回は肩の力を抜いて聴いていただける回です。理論をきちんと解説していくというより、二人の会話の流れの中に心理学の話が自然と混ざっていく、そんな構成になっています。
終盤では、こうした話は恋愛にかぎらず、たとえば営業のように人と関わる場面にも通じるのではないか、というやりとりもありました。人の気持ちがどう動くのかを知っておくことは、日常のいろいろな場面で役に立ちます。
何度も顔を合わせる相手には、好意を持ちやすい
この回でいちばん詳しく語られたのが、単純接触効果(ザイオンス効果)です。ロバート・ザイオンス博士が提唱した考え方で、人は何度も接触する相手に対して、好意や親近感を持ちやすくなる、というものです。
番組では、こんな場面が例に挙がっていました。
- 毎朝、同じ時間に顔を合わせる
- 職場などで日常的に顔を合わせる
- メッセージのやり取りが続いている
学生の頃は、毎日同じ場所で同じ顔ぶれと過ごすため、この効果が自然に働きやすい環境だったのではないか——というのが古賀の見立てです。反対に大人になると、意識しないかぎり同じ人と何度も会う機会は減っていきます。大人になってからの人間関係づくりが難しく感じられる背景には、そうした接触回数の変化もあるのかもしれません、という話でした。
相手のために動くと、動いた側の気持ちも動く
もうひとつ紹介されていたのが、尽くされる側よりも、尽くす側のほうが相手を好きになりやすいという傾向です。誰かのために自分の時間や手間を使うこと自体が、その相手への気持ちを育てていく、という考え方ですね。
番組内では、朝の電話といった身近な例を挙げて、笑いを交えながら語られています。テクニックとしてどう使うかはさておき、「相手のために動いた経験が、その人自身の気持ちをつくっていく」という視点は、恋愛以外の人間関係にも当てはまりそうです。
気持ちの動きは、体にもあらわれる
体を扱う番組らしいのは、話が感情と体のつながりへ進んでいくところです。何かに夢中になっているときはドーパミンが出ていること、追いかけている状態では報酬系と呼ばれる回路が働きやすいこと、一方で安心できる関係にはオキシトシンというホルモンが関わってくること。そうしたキーワードが会話の中に登場します。
そして、気持ちが大きく落ち込んだときには交感神経が優位になり、消化のはたらきが落ちて食事が喉を通らなくなったり、動悸で眠れなくなったりする、という話も出てきました。感情の揺れが食欲や睡眠にあらわれるのは、気のせいではありません。ここは、通常回でお話ししている自律神経の内容ともつながる部分です。
食事と睡眠は、トレーニングの成果を支える土台でもあります。心の状態が整わない時期に体づくりが思うように進まないのは、ある意味で自然なこと。そんなときは無理に追い込まず、まず眠ることと食べることから戻していきましょう。
まとめ
第14回は、通常回とは趣の違う番外編でした。会話の中で出てきたのは、単純接触効果(ザイオンス効果)、相手のために動くことと気持ちの関係、そしてドーパミンやオキシトシン、交感神経といった、体とも地続きのキーワードです。
気軽に聴いていただける回ですので、移動中やトレーニングの合間にでもどうぞ。次回からは、また通常の路線に戻ってお届けします。
この回の内容は、Podcast「RePro RADIO」第14回でお聴きいただけます。