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自律神経は整えるより切り替える。交感神経と副交感神経を働かせる刺激と1日のリズム

自律神経は整えるより切り替える。交感神経と副交感神経を働かせる刺激と1日のリズム

自律神経の話の後編です。前編では、自律神経とは何かという概要と、交感神経が悪くて副交感神経が良いという話ではないこと、そして必要なときに切り替えられることが大事だということを整理しました。

では実際に、どうすれば自律神経に働きかけられるのか。ここが後編のテーマです。ゲストとの対話形式で、交感神経と副交感神経それぞれの入口から見ていきます。

交感神経のスイッチが入る場面は、意外と身近にある

交感神経を働かせる刺激は、特別なものではありません。代表的なのは運動です。筋トレ、ランニング、スポーツ。ひとくくりに運動と言っても、どれも体を活動モードへ持っていく刺激になります。

それ以外には、こんなものがあります。

  • 朝起きてすぐに光を浴びる
  • 寒冷刺激を受ける(バケツに氷と水を入れて顔をつける、という方法が知られています)
  • カフェインをとる
  • 緊張する場面に行く、人前で話す、試合に出る

面白いのは、自分から働きかけるものだけではないという点です。緊張する場面や人前で話す場面は、自分で選んでいなくても体を活動モードへ押し出していきます。1日の活動を始めるための刺激、と考えると整理しやすいかもしれません。

もっとも、同じ場面でも人によって働き方は変わります。人前で歌うことも交感神経の刺激になりますが、それに慣れきっている人にとっては、そこまでの刺激にならないこともあります。

副交感神経に傾く時間を、意識してつくる

反対に、副交感神経側に傾いていく刺激です。

  • 睡眠、休息
  • ゆっくりとした呼吸
  • ヨガ、瞑想
  • 食事をする
  • 入浴
  • リラックスできる音楽を聴く
  • お香を焚く
  • スマホを置く、いわゆるデジタルデトックス
  • 何もしない時間をつくる

私自身も、お香を焚くことがよくあります。香りでリラックスできると、そこでスイッチが入る感覚があります。

ただ、ここには人によるという条件がつきます。リラックスできるかどうかは人それぞれで、たとえばお香の香りが苦手な人であれば、逆に交感神経側が働いてしまうこともあります。「これをやれば必ず副交感神経が優位になる」という単純な話ではない、ということです。

音楽も同じです。リラックスできる音楽は休息側の刺激になりますが、気持ちがどんどん高まっていくような激しい音楽であれば、その方向には働きません。同じ「音楽を聴く」でも、中身によって体に入る刺激の向きは変わります。

そのうえで、何もしない時間をつくることや、スマホを置く時間をつくることは、現代の生活ではかなり重要だと考えています。意識してつくらないと、そもそも刺激が減る時間が生まれにくいからです。

「副交感神経を高めれば手っ取り早い」という勘違い

自律神経を整えたいなら、副交感神経を高めれば手っ取り早いのではないか。ここはよく勘違いされやすいところです。どちらか一方をずっと高くしておけばいい、という話ではありません。

たとえば、これから重いスクワットをするという場面で、副交感神経が優位だったらどうなるか。力が出ません。運動するときには交感神経が働いてほしいし、運動が終わったら回復してほしい。だからこそ、交感神経から副交感神経への切り替えが大切になります。

ここで、運動が果たしている役割も見えてきます。運動そのものは、体にとってはストレスです。心拍数が上がり、交感神経が働きます。でも、その後にしっかり回復する。この刺激と回復を繰り返していくことで、体は適応していきます。

だから、ストレスをなくしてしまってはいけません。適切に運動などで体にストレスを与えて、そのストレスに適応していく。この考え方がとても大切だと考えています。

呼吸は、自律神経と意識の間をつないでいる

自分ですぐにできることとして、一番に挙げたいのは呼吸です。

呼吸は自律神経によって自動的に行われています。きつくなれば自然と早くなり、意識していなくても続いています。その一方で、呼吸は自分の意思でも変えられます。ゆっくり吸って、ゆっくり吐く。これは自分で選べます。

つまり呼吸は、自律神経と自分の意識の間をつないでいる、少し変わった機能でもあります。緊張しているときに「深呼吸して」と言われることがありますよね。あれは単なる気の持ちようではなく、体の状態に働きかける方法のひとつになります。

1日のリズムそのものが、体への入力になる

睡眠も、やはり大事です。ただ、夜だけを切り離して考えるのは難しいところがあります。1日の流れで見ていくと整理しやすくなります。

  • 朝は光を浴びる
  • 日中は体を動かす
  • 夜はなるべく刺激を減らす(スマホを見続けるのではなく、活字を読む、リラックスできる音楽を聴く)
  • しっかり眠る

こうした毎日の行動そのものが、体への入力になっていきます。

だから自律神経を考えるときは、「副交感神経を上げるには何をすればいいか」だけで終わらせないほうが面白いと思っています。今、自分の体にはどんな刺激が入っているんだろう。そうやって一度俯瞰してみる視点です。

朝と日中は動かなければいけない時間なので、そこではちゃんと交感神経を働かせて活動する。夜は休みたいので、体を落ち着かせていく。この切り替えがとても大切です。

測る、動く、変わる

ReProのスタジオでは、自律神経の測定を行っています。今の体がどういう状態なのかを、データで知ってもらうということです。「今こういう状態ですよ」と目に見える形になると、説得力があります。やってみよう、と思えます。

そして、状態を知ったうえでどう行動を変えていくか。ここがいちばん大事なところです。ReProではMeasure(測る)、Move(動く)、Change(変わる)という考え方をひとつのテーマとして掲げています。まず測って、自分の状態を知る。そうすると、こうやっていこうという指針が見えてくる。指針が見えれば動けるようになる。その結果として、体が変わっていきます。

まとめ

第19回の後編で整理したことをまとめます。

  • 交感神経を働かせる刺激は、運動、朝の光、寒冷刺激、カフェイン、緊張する場面など、意外と身近にある
  • 副交感神経側に傾く刺激は、睡眠や休息、ゆっくりとした呼吸、ヨガや瞑想、食事、入浴、リラックスできる音楽、お香、デジタルデトックス、何もしない時間など。ただしリラックスできるかどうかは人による
  • 副交感神経を高めれば手っ取り早い、というわけではない。重いスクワットの前に副交感神経が優位では力が出ない
  • 運動そのものは体へのストレスだが、その後に回復する。この刺激と回復の繰り返しで体は適応していく
  • 呼吸は自律神経と意識の間をつないでいる機能なので、深呼吸には意味がある
  • 自律神経は整えるよりも切り替え。切り替えがうまくいかないと、朝起きられない、覚醒して眠れないといったことにつながっていく

整えるという言葉よりも、切り替える。この力を少しずつ身につけていきましょう。

この回の内容は、Podcast「RePro RADIO」第19回でお聴きいただけます。

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